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スタート地点の丸山公園は、伊東市が長年整備してきた山あいの公園で、初夏のホタル観賞で知られる。 春のショウブや秋の紅葉も美しく、園内には江戸城築城用の刻印石なども見られる。 このコースは全行程の20個所に案内板、及び60箇所に案内プレートが設置されている。標識に従って歩く事により安全なハイキングが出来る。 ショートカットコースについては、入り口のみの表示としているので、注意が必要である。
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ハイキングコースは、丸山公園入り口を、左に向かい橋を渡り道なりに園路を登って行く。公園敷地の最上段で右に曲がり山道に入る(案内標識がある)。随所に丸い形の案内プレートが取り付けられているので迷う事は無い。
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丸山公園内の案内プレート
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公園上部から大平山山頂までは比較的緩やかなのぼり坂で、 雑木林のなかをゆったりと進むコースは新緑や紅葉が美しい。
途中ユウカリ樹林を過ぎ、ヒノキの植林に沿って進むと 大きな岩の目立つ所に着く。江戸城築城石の採石丁場跡で、 左下方に残る石丁場が当時の様子を伝えている。
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大平山から丸山公園への分岐点
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丸山公園尾根ルートから大平山山頂に出た所。写真左側の木の下が公園からの登山道。市街地が眼下に広がり気持ちが良い。ここから「健康回復公園 大平の森」の外周ルートが分かれる。
一休みしたら、馬場の平方面は尾根を右に進む。
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尾根には、山桜の大木が多く自生し、桜の開花時期が 最も美しい。 展望地点も設けられ、遠く富士山を望む事も出来る。
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大平山外周の尾根から丸山公園渓谷コース基点
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「大平の森」入り口への分岐点
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健康回復公園「大平の森」入り口方面への分岐点。4辻になっており注意が必要。
馬場の平方向は道標に従って尾根を進む。 左に階段を下ると小川沢の公園入り口に行く。
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大平山から馬場の平の区間は、道が不明瞭な部分があった為、数箇所に新道を作った。 これにより迷う事も無く安全で歩きやすくなった。 又、柏トンネル上の崩落した瘠せ尾根は、通行によって再度崩れる可能性があり危険性が高い。反対側を巻いて通行できるように道を付け替えたが、このコース最大の難所である。
← 馬場の平へ続くコース。
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柏トンネル(中伊豆側)
この峠は、江戸時代から伊東と中伊豆方面を結ぶ重要な街道で、物資の流通や代官所への役向きなど生活に結び付いた道であった。 峠にまつわる伝説もいくつか残されている。
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なかでも仏現寺に残る「天狗の詫び証文」の話は有名である。 柏トンネルは伊東・冷川の有志によって明治15年に竣工した。これによってつらい峠越えから開放され馬車も通い、地元民はもとより旅行者にも広く利用された。 明治39年の新県道開通後も多くの利用者があった。その後、交通の発達と共に徐々に衰退しながらも細々と利用されていたが、狩野川台風によりトンネルは崩れ、伊東側は痕跡をとどめていない。
← 道標に従い峠を下ると、伊東と中伊豆のかつての交通の要所「柏トンネル」がある。
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馬場の平の路傍に残る「お乳女観音」
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「お乳女(おちいじょ)観音」出産後母親を無くした乳児のために、 大見村の女性がこの峠を越え毎日乳を与えに伊東まで通っていた。 ある雪の降りしきる晩、いつものように乳を与えた後、 家人の止めるのも聞かずに帰途についたお乳女は雪深い このあたりで力尽き亡くなったと伝えられる。
馬場の平に残る石仏群
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馬場の平から市街地方向を見る馬場の平は古くから小・中学生の遠足の場所として親しまれてきた。
山頂からは、北西方向に富士山を望み、東に相模湾・遠くに房総半島・南に大室山や天城連峰を望み、眼下には伊東市外が一望できる景勝の地ある。
鞍部を柏峠越えの古道が通り数々の伝承が伝えられている。「天狗の詫び証文」は有名な話で仏現寺に天狗が書いたと伝えられる巻物が残されている。「お乳女(おちいじょ)観音」・「座頭ころがし」の悲惨な話も伝えられる。
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【柏峠のある山全体は、柏嶺とも呼んだ。曽我物語に出てくる柏嶺という場所は、馬場の平を含むこのあたり一帯と考えられている。(加藤清志 伊東風土記より)】
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柏峠道古道より馬場の平(鎌田共有)市街への道標
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ハイキングコースは柏トンネルから柏峠道をたどり、馬場の平の鞍部を通る。 途中「お乳女観音」を過ぎて右側に草原への入り口がある。少し寄り道をして進むと大きな木の下に石仏が数体ならんでいる。それぞれにいわれが有るのだろう。古街道を進んでもよいが、せっかくだから草原を山頂に向う。 山頂は360度の展望が開けまことに気持ちが良い。かつてこの一帯は鎌田村の草刈場であり、草の芽生を良くする為、毎年春先に村民総出で山焼きを行ったという。 ここは、馬場の平火山によって出来たスコリア丘で、現在企業によりスコリア採集の計画が進められている。この丘が削り取られると伊東自慢のおいしい水も温泉も必ず悪い影響があると専門家は指摘するのだが。
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尾根を下りきったところの道標
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コースに戻り古道を進むと、左側に太い丸太を用いた柵がある。そこを左に曲 尾根を下りきったところの道標り草原を行く。(道標がある)こちらの丘は鎌田区の共有地で自然が守られている。 丘の上縁に沿って進み尾根の林を下る。急斜面を一気下り道標に沿って進むと水道山の道に出る。 あとは、ゆっくり舗装路を下ると伊東郵便局前、伊東駅までもう少し。
『伊豆ふれあいネット伊東』さまが 大平の森ハイキングコースの体験記およびマップを 掲載してくださいました。 こちらから「大平の森」へどうぞ。
ハイキングコースマップは、伊東観光協会にて配布中です。
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